PCB適正処理法(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理に関する特別処理法)

 

1.背景

 

ポリ塩化ピフェニル(PCB)は、絶縁性、不燃性などの特性によりトランス、コンデンサといった電気機器をはじめ幅広い用途に使用されていましたが、昭和43年にはカネミ油症事件が発生するなど、その毒性が社会問題化し、我が国では昭和47年以降その製造が行われておりません。

一方、すでに製造されたPCBを処分するため、民間主導によるPCB処理施設の設置の動きが幾度かありましたが、施設の設置に関し住民の理解が得られなかったことなどから、ほぼ30年の長期にわたりほとんど処理が行われず、結果として保管が続いている状況にあります。 そのため、紛失したり、行方不明になったりしたトランスなどもあることが判明し、PCBによる環境汚染が懸念されています。世界的にも、一部のPCB使用地域から、全く使用していない地域への汚染の拡大が報告されたことなどを背景として、国際的な規制の取り組みがはじまっており、我が国においてもPCB廃棄物を処理するための体制を速やかに整備し、確実かつ適正な処理を推進することが急務となっています。

このような状況から、我が国のPCB廃棄物の確実かつ適正な処理を推進するため、平成13年6月22日に「ポリ塩化ピフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」が公布され、公布の白から施行されました。

 

2.目的

 

この法律は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の保管、処分等について必要な規制等を行うとともに、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理のための必要な体制を速やかに整備することにより、その確実かつ適正な処理を推進し、もって国民の健康の保護及び生活環境の保全を図ることを目的とするものです。

 

3.定義

ポリ塩化ビフェニル廃棄物」とは、ポリ塩化ビフェニル、ポリ塩化ビフェニルを含む油又はポリ塩化ビフェニルが塗布され、染み込み、付着し、若しくは封入された物が廃棄物となったもの(環境に影響を及ぼすおそれの少ないものとして政令で定めるものを除く。別表参照)を言います。

「事業者」とは、その事業活動に伴ってポリ塩化ビフェニル廃棄物を保管する事業者をいいます。

 

4.事業者の責務及び及び行わなかった場合の罰則

 

1)保管及び処分の状況の届出

PCB廃棄物を保管している事業者は、毎年度630日までに、そのPCB廃棄物の保管及び処分の状況に関して都道府県知事(保健所を設置する市にあっては、市長。以下同じ)に届け出なければなりません。

なお、都道府県知事は、毎年度、事業者から提出された上記保管等の届出書について、PCB廃棄物の保管及び処分の状況を一般に公表することとなっています。

→届出を行わなかった者、また虚偽の届出をした者は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。

 

2)期間内の処分

事業者は、法律が施行された日(平成13715)から15年の期間内に、PCB廃棄物を自ら処分するか、若しくは処分を他人に委託しなければなりません。

なお、環境大臣又は都道府県知事は、事業者が上記期間内の処分に違反した場合には、その事業者に対し、期限を定めて、PCB廃棄物の処分など必要な措置を講ずべきことを命ずるととができます。

→この改善命令に違反すると、3年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、またはこれを併科されます。

 

3)譲渡及び譲受けの制限

何人も、PCB廃棄物を譲り渡し、又は譲り受けてはならないこととされています。

→この義務に違反すると、3年以下の懲役若しくは10∞万円以下の罰金に処し、またはこれを併科されます。

4)承継

事業者について相続、合併又は分割があったときは、相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は分割によりその事業の全部を承継した法人は、その事業者の地位を承継するものとされています。事業者の地位を承継した者は、その承継があった日から30日以内に、その旨を都道府県知事に届け出ることになっています。

→届出を行わなかった者、また虚偽の届出をした者は30万円以下の罰金に処されます。

 

5)特別管理産業廃棄物管理責任者の設置

PCB廃棄物の処理に関する業務を適正に行わせるために、事業所ごとに廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく「特別管理産業廃棄物管理責任者」を置かなければなりません。

→この義務に違反すると、30万円以下の罰金に処されます。

 

別表 環境に影響を及ぼす恐れの少ない廃棄物の基準(PCB廃棄物を処理したもの):施行規則第2

1.廃油

当該廃油に含まれるポリ塩化ビフェニルの量が試料1kgについき0.5mg以下であること。

2. 廃酸又は廃アルカリ

当該廃酸又は廃アルカリに含まれるポリ塩化ビフェニルの量が試料1Lにつき0.03mg以下であること。

3. 廃プラスチック類又は金属くず

当該廃プラスチック類又は金属くずにポリ塩化ビフェニルが付着していない、又は封入されていないこと。

4. 陶磁器くず

当該陶磁器くずにポリ塩化ビフェニルが付着していないこと。

5. 廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、金属くず及び陶磁器くず以外の廃棄物

当該処理したものに含まれるポリ塩化ビフェニルの量が検液1Lにつき0.003mg以下であること。

 

参考資料:・ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H13/H13HO065.html

          ・ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法施行令

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H13/H13SE215.html

・ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法施行規則

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H13/H13F18001000023.html