JVIA 一般社団法人 日本真空工業会

会長　辻󠄀村　学

２０１９年以前の国際情勢はVUCA^注)(ブーカ)ワールド、つまり「無茶苦茶な世界で予測不可能」と言われていましたが、その後トランプショック（米中イデオロギー戦争）とコロナショック（パンデミック）のダブルショックで「世界は正に地獄と化した」と説明してきました。ところが２０２２年にはトリプルショック、ウクライナ問題を発端に世界は１９９１年東西冷戦状態に逆戻りの様相を示し「世界は地獄以上の苦しみを味わうのか？」と戦々恐々としています。
そんな状況下で（２度目の）会長を仰せつかりました。
最初の会長ご下命は２０１２年、世の中は東日本大震災（２０１１年３月１１日）の痛みに耐えながら復興を目指して努力を続けていた時であり、工業会も大変な重責を担っておりました。それでもこの時の合言葉は「復興」であり、皆苦しい時でも「明るい未来」を信じることができました。
現在はトリプルショックの真っただ中、まだ「世界の未来」は見えていません。そんな時の工業会の役目は何なのだろうか？今、真剣に悩んでいます。
２０２０年・２０２１年の世界景気は大きく落ち込みましたが、半導体業界の好況に支えられ真空業界は好況でした。２０２２年以降も同様と見る見方と、かつて２度経験した市場半減という大危機が待っているのか、誰も予測できません。正に世界はVUCA^ｎ（ｎ乗）に突入。
それでも私たちは、私たちがやるべきこと、やれることをしっかり実行するしかありません。それは先ず技術です。技術がしっかりしていれば市場はついてきます。そして市場があれば、混とんとしたVUCA^ｎ世界に惑わされずに正しい道を進むことが可能です。
「真空技術は人間の欲求ある限り永遠に不滅です！」（学の原理原則修正則）
信じて下さい！真空技術を信じて努力を続けましょう。明日の明るい未来を信じて！
^注）VUCA（ブーカ）とは、Volatility（変動性）、Uncertainty（不確実性）、Complexity（複雑性）、Ambiguity（曖昧性）の頭文字をとり、私は「めっちゃくちゃ」と訳しています。

一般社団法人 日本真空工業会　会長　辻󠄀村　学